「あれこれ」カテゴリーアーカイブ

英語の冠詞とオブジェクト指向プログラミングと、アリストテレス

私は英語がたいへん苦手です。

特に英語の冠詞については、何をしたいのかよくわかりません。数えられる、数えられない、とか何を言っているのでしょう。

『日本人の英語』という本では、冠詞が主体で、それに Pen や Cat などの名詞をつけるのだ、といいます。

この言葉をヒントにあれこれ考えていたところ、英語の冠詞と、オブジェクト指向と、アリストテレスが、実は同じアイデアの元にあるものなのではないか…と思い当たりました。

英語の名詞と冠詞(a, the) の関係は、クラスとインスタンスの関係によく似ているなと。という訳で、オブジェクト指向プログラマのための(?)、a と the についての妄想です。

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マービン・ミンスキー氏死去

すこし時間が経っていますが、有名なAI研究者であるマービン・ミンスキー氏が亡くなられたそうです。Wired記事。おこがましくもありますが、追悼の意を込めて。

私ですら知っている、ミンスキー氏の著作としては、『パーセプトロン』と、『心の社会』があります。

『心の社会』の方はなんとか読んだことがあるものの、『パーセプトロン』の方は、途中で挫折して以来、積読状態です。

パーセプトロンというのは脳細胞の仕組みにインスパイアされたニューラルネットワークの一種で、いわば最近流行りのディープラーニングのご先祖様のようなものです。

人工知能は今まで何度ものブームと幻滅を経て、そのたびに少しづつ進歩してきましたが、パーセプトロンが発表された当時も、それが学習と認識の両方を一度に解決する手法であったこともあって、たいへん盛り上がったようです。

それに対してミンスキー氏は、パーセプトロンで起こる問題点、例えばスケールが大きくなった時に計算量の増加することや学習における扱いにくい振る舞いがあることを指摘したようです。そして、ニューラルネットワークに万能性を期待する前に、人間の知能がやっていることを大局的に見るべきだと考えて書いたのが『心の社会』だったようです。

それは、知能は単一の仕組みで動いているようなものではなく、沢山の仕組み(エージェント)が互いに影響し合うことで、構成されているのだ、ということを示すものでした。(そしてそれを、特殊な構造を持つニューラルネットとして記述していた、ということに今気が付きました…。※パーセプトロンは均質な構造を持ったニューラルネットワークです。)

最近のディープラーニングでは、規模が大きくなったニューラルネットワークをうまく学習させる方法の発見やコンピュータの高速化によって、認識や学習でたくさんのことができるようになっています。ですが、それを知能という沢山の仕組みを持つシステム全体の中でどう位置づけて、どう使ってゆくのかについては、これからも解決が必要なことなのかもしれません。

追伸:もう一冊の『脳の探検』も積みっぱなしでした…。

映画『イミテーションゲーム』

チューリングについての映画だというので、見ておかないと。ということで見てきました。

話の中心は、チューリングが、第二次世界大戦時のドイツの暗号通信システム、エニグマの解読に従事していたという史実をもとにして脚色したもので、それにチューリングテストのアイデアをなんとなく絡めようとした感じ。

チューリングマシンとコンピュータの関係やチューリングテストと人工知能については、こちらの記事を…。

以下はネタバレありです。 続きを読む 映画『イミテーションゲーム』

ノーベル賞「場所細胞」とSLAM

ノーベル医学・生理学賞が発表されましたね。

http://www.nikkei-science.com/?p=44210

脳細胞のうち、「場所細胞」と呼ばれるものを発見・発展させた3氏に与えられたそうです。

ネズミが知らないところを歩き回るとき、「大体今このあたりかな」というのを、脳の海馬と言う場所に並んだ細胞のどれかが活動することで示す、ということを発見したということですね。

内容はいろいろなところで紹介されているのでおいといて、「全脳アーキテクチャ」という勉強会では場所細胞の話とともに、それを参考にしたRat-SLAMというアルゴリズムが紹介されてます。SLAM(Simultaneous location and mapping) というのはロボットが歩き回るときに、今いる場所を認識するのと同時に地図をつくる方法の様です。そして、場所細胞を参考にした方法として、Rat-SLAMというものがあるようです。

http://www.sig-agi.org/wba/3

https://code.google.com/p/ratslam/

というわけで、関連する文章などをざっくり読んでみました。

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IBMの脳チップ

IBMが脳からヒントを得たチップ(の新バージョン)を作った、という発表をしているようです。

http://www-06.ibm.com/jp/press/2014/08/0801.html

http://japan.cnet.com/news/service/35052072/

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1408/29/news049.html

以前にも発表が出ていた物の、新チップということのようです。

http://wired.jp/2013/09/02/truenorth/

さて、これによって人工知能の実現が一気に近づいたりするものなのか?というわけで、ざっと見てみた感想です。
個人的な理解によるものですので、間違ってたらごめんなさい。

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映画『トランセンデンス』

映画『トランセンデンス』の感想などを。

巷でいまいちな評判の、トランセンデンスを見てきました。
人工知能と、シンギュラリティが、映画の中心ネタと聞いたので。

「シンギュラリティー」は技術的特異点のことで、人間の知能が「計算」だとするのなら、コンピュータの計算能力がそろそろ人間を超える。その時どうなるのって話ですね。(シンギュラリティをテーマにした本や小説については全く読めていませんが…。)

映画は確かにとっちらかってて、散漫な感じでした。さらに、どのへんにリアリティのレベルを置こうとしているのかがわからない。映像的に印象に残るようなポイントもあまりありませんでしたし。

だから誰かの視点ではなく、俯瞰的に突っ込みいれながら見るのがいいとおもいます。
個人的にはとっちらかり具合を、整理しながら見るのも面白かったです。

以下、映画の内容の核心や結果に触れます(ネタバレ)。

 

 

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「ユージン」くんがチューリングテストに合格したそうです

ロシアで作られたプログラム「ユージン」が、チューリングテストの大会で33%の人から人間だと判定されて合格となったそうです。

33%というのは、チューリングが「五分間で、正しい判断をする人(機械だと見破る人)が70%を超えない」を条件としていたからなのでしょう。人間でも機械だと判定されることはあるようですし。

Wired記事

Eugene—the supercomputer, not 13-year-old—first to beat the Turing Test

こちらの記事によると、「13歳で、何でも知っているようなことを言うが、実は何でも知っているわけではない」というキャラ作りに力を入れたとのこと。

確かに相手に人格が感じられたほうが、人間っぽいのかもしれません。しかも、いかにも居そうな人格が。

逆に、「知能があるロボット」というキャラクターはこのテストを通りにくいということになりそうです。

記事の最後では、知識がないことへの不満も出ていることが書かれていますが、知識があればいいかというと、そうも思えません。何でも知っているよりも、むしろ知らないことを適当にごまかすほうが、人間らしいし、知能らしいのではないかとも思います。

チューリングテストは「知能」というものの一面を、きちんと決められた手続きで判定できるためのテストですが、これが知能のすべてというわけではなくて、
だから、WATSONのようにクイズ番組で優勝したり、ROBOCUPのようにサッカーをしてみたり、入学試験に合格をしようとしてみたり、いろいろな「知能」にあわせた目標が作られているのでしょう。

こういうテストに色々と受かるものが知能なのか、それともそれらの結果として、これが肝、というのが見つかってくるのか…さてどうなるのでしょうか・・・