映画『イミテーションゲーム』

チューリングについての映画だというので、見ておかないと。ということで見てきました。

話の中心は、チューリングが、第二次世界大戦時のドイツの暗号通信システム、エニグマの解読に従事していたという史実をもとにして脚色したもので、それにチューリングテストのアイデアをなんとなく絡めようとした感じ。

チューリングマシンとコンピュータの関係やチューリングテストと人工知能については、こちらの記事を…。

以下はネタバレありです。

第二次世界大戦中、イギリス政府は、ドイツの暗号「エニグマ」の解読のための極秘プロジェクトを進めていた。解読チームの中で浮いた存在だった数学者チューリングは、大金を使って独自の解読マシンを開発するが、成果が上がらず首を宣告される。徐々に打ち解けてきていた仲間の計らいで1か月の猶予をもらったものの、果たして暗号は解けるのか…。そして、その時に起こる問題とは…。
みたいなお話し。…でいいと思う。

伝記は読んだことがないので何とも言えませんが、今まで存在していない、しかも可動部分があって数か月にわたって安定して動作する機械を、数学者が設計から作業含めて一人で作る。って…という感じですが、これは倫理的な葛藤を一人の人間に集中させて見せるための映画の方便なので突っ込むべきではないですね、すみません。

じゃあ、この映画、どんな葛藤を描きたかったのかというと…それがわかりにくい。あれやこれや出されたけど、それらの関係がよくわからない…。「イミテーションゲーム」というアイデアがそれらをまとめているわけでも無さそうだし…。

中心となる暗号解読のエピソードは、プロジェクト物として、それなりに面白く見られましたが、それに引っ付けてあるテーマがごちゃごちゃしていて、終わってみると焦点がなんだったのかぼんやりしていてよくわからないなあ、というのが感想です。

ちなみに実際のチューリング、映画のようなとっつきにくい人間ではなかったようです。