IBMの脳チップ

IBMが脳からヒントを得たチップ(の新バージョン)を作った、という発表をしているようです。

http://www-06.ibm.com/jp/press/2014/08/0801.html

http://japan.cnet.com/news/service/35052072/

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1408/29/news049.html

以前にも発表が出ていた物の、新チップということのようです。

http://wired.jp/2013/09/02/truenorth/

さて、これによって人工知能の実現が一気に近づいたりするものなのか?というわけで、ざっと見てみた感想です。
個人的な理解によるものですので、間違ってたらごめんなさい。

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Labyrinth-2.c「不完全性定理③-論理主義・直観主義」

「数学とは何か、でもめています」

「無限の技を使うのは、数学として許されるのか」の議論に決着をつけるために「数学とは何か」という問題を見てみます。

おおざっぱには、「論理主義」は数学は論理だという主張、「直観主義」は数学は人間のすることだという主張です。論理主義がうまくいけば無限の技を使えたのですが、論理で作った数学もパラドクスと無縁では無いようです。

そこで、人間の能力を超えた無限の技の封印を主張する、直観主義者との対決となるわけですが、この戦いに勝つための作戦が「ヒルベルトプログラム」、ということになります。

参考文献
『論理の哲学』 飯田隆 編 講談社選書メチエ

論理主義や直観主義がどういう主張なのかを知りたいときにはこの本がわかりやすかったです。不完全性定理についても扱っています。

映画『トランセンデンス』

映画『トランセンデンス』の感想などを。

巷でいまいちな評判の、トランセンデンスを見てきました。
人工知能と、シンギュラリティが、映画の中心ネタと聞いたので。

「シンギュラリティー」は技術的特異点のことで、人間の知能が「計算」だとするのなら、コンピュータの計算能力がそろそろ人間を超える。その時どうなるのって話ですね。(シンギュラリティをテーマにした本や小説については全く読めていませんが…。)

映画は確かにとっちらかってて、散漫な感じでした。さらに、どのへんにリアリティのレベルを置こうとしているのかがわからない。映像的に印象に残るようなポイントもあまりありませんでしたし。

だから誰かの視点ではなく、俯瞰的に突っ込みいれながら見るのがいいとおもいます。
個人的にはとっちらかり具合を、整理しながら見るのも面白かったです。

以下、映画の内容の核心や結果に触れます(ネタバレ)。

 

 

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Labyrinth-2.b「不完全性定理②-無限の技・集合」

「ゲーデルの不完全性定理により、人工知能ができないことは証明されているのか?」という問題を考えるために、ヒルベルト計画を追いかけます。今回は、集合とパラドックスを見てみました。

「数学とは一体何か?」という大きな問で終わっていますが、これは数学の哲学の領域のようですね。

Pixivに再アップしました。

 

前回挙げた参考文献、『ゲーデル 不完全性定理』を、主に参考にしています。

強力な秘奥義をマスターしたヒルベルト、この技をパラドックスの呪いから救い出すことはできるのか!?そして数学とは一体何なのか。次回「論理主義・直感主義」!
の予定。

集合をあみだしたカントール自身はパラドックスについてはあまり気にしていなかったそうです。

『記号創発ロボティクス』谷口忠大 講談社選書メチエ

コンピュータは、チューリングマシンを応用した、記号を操る機械ですが、これに知能を持たせようとすると、「記号とはなにか」と言う問題に行きあたります。

そもそも記号は人が作り出しているのに、それを人から与えられるままに操作しているだけでは、知能としての力強さにかけます。
それはそれで知能の一種かもしれませんが、記号そのものを自分で作り出して意味を与えて行くような能力が必要です。

この本は、その記号ができてくる仕組みを、ロボットに実装することで探ろうと言うものです。

ぬいぐるみやガラガラなどのおもちゃを分類する方法をどうやってつくりだすのか。

人間が発言した切れ目のない空気の震えから、教えられることなく(通常はどこまでが「あ」で、どこからが「い」かを教えてもらうことはありません)どうやって音素や単語を切り分けて行くのか。

さらに、できた記号を人間と、どの様にして共有するのか。

それをロボットとベイジアンネットワーク等の手法を駆使して実現して行きます。

また、このような作って理解する方法である「構成論的アプローチ」が、これまでの科学の手法では扱いにくい、「主体性を持つもの」を扱うための新たな手法として重要であることを示します。

アルゴリズムの話や(簡単な説明はしてあります)、色々な考えの引用もあり、全く知識がないと少し難しいかもしれませんが、この本を手引きに調べてゆくのにもいい本だと思います。

とても面白く、お勧めです。

Labyrinth-2-a「不完全性定理①」

置き場所をpixiv に変更して再投稿しています。

「ゲーデルの不完全性定理」です。
今回は言葉しか出てませんが…。
これは「人工知能をコンピュータで作りたい…けど、コンピュータって何だっけ?」につながる話です。

また、ゲーデルの定理があっても、人工知能は出来るのだろうか?という問いも考えたいと思います。

参考文献:
『ゲーデルの謎を解く』 林晋 岩波科学ライブラリー

ほぼ書いたあとで見ました。この本、わかりやすいですね。最初の一冊はこれが良かったのかも…。

『ゲーデルの定理 利用と誤用の不完全ガイド』トルケル・フランセーン 田中一之訳 みすず書房

ゲーデルの不完全生理とはなにかという話とともに、巷にあふれる不完全性定理の誤用を正してゆく本です。お勧めです。

『ゲーデル 不完全性定理』 林晋/八杉満利子 岩波文庫

不完全性定理の翻訳と、ヒルベルトプログラムの中での不完全性定理の位置づけや証明の構造などの解説からなっています。ヒルベルトプログラムについてよくわかりますが、不完全性定理の解説は難し目。

『無限論の教室』野矢茂樹 講談社現代新書

無限の技とその問題点、ゲーデルの定理までをコントの様な講義に沿って軽快に解説。対角線論法や、無限の濃度など、無限の技から不完全性定理を知ることができます。
他の本が難しいと思ったら、この本から始めるのが良いと思います。

『ゲーデルの哲学』 講談社現代新書

ゲーデルその人の人生や考えについて概要を知りたい場合にはこの本で。

「ユージン」くんがチューリングテストに合格したそうです

ロシアで作られたプログラム「ユージン」が、チューリングテストの大会で33%の人から人間だと判定されて合格となったそうです。

33%というのは、チューリングが「五分間で、正しい判断をする人(機械だと見破る人)が70%を超えない」を条件としていたからなのでしょう。人間でも機械だと判定されることはあるようですし。

Wired記事

Eugene—the supercomputer, not 13-year-old—first to beat the Turing Test

こちらの記事によると、「13歳で、何でも知っているようなことを言うが、実は何でも知っているわけではない」というキャラ作りに力を入れたとのこと。

確かに相手に人格が感じられたほうが、人間っぽいのかもしれません。しかも、いかにも居そうな人格が。

逆に、「知能があるロボット」というキャラクターはこのテストを通りにくいということになりそうです。

記事の最後では、知識がないことへの不満も出ていることが書かれていますが、知識があればいいかというと、そうも思えません。何でも知っているよりも、むしろ知らないことを適当にごまかすほうが、人間らしいし、知能らしいのではないかとも思います。

チューリングテストは「知能」というものの一面を、きちんと決められた手続きで判定できるためのテストですが、これが知能のすべてというわけではなくて、
だから、WATSONのようにクイズ番組で優勝したり、ROBOCUPのようにサッカーをしてみたり、入学試験に合格をしようとしてみたり、いろいろな「知能」にあわせた目標が作られているのでしょう。

こういうテストに色々と受かるものが知能なのか、それともそれらの結果として、これが肝、というのが見つかってくるのか…さてどうなるのでしょうか・・・

Labyrinth-1 「チューリングテスト」

漫画へのリンク:

第1回、「チューリングテスト」です。

「会話ができるのであれば、それには知能があると言ってもいいのではないか?」ということから、「電子メールやチャットで話した時に、相手が人間なのかコンピュータなのかがばれなければ、知能がある」とする、コンピュータに知能があるかないかを判断するテストです。

もとは、メールではなく「テレタイプライタ」というものでやり取りするのですが、今ならメールやチャットでしょうか。

しかし、一番気になっているのは、今どきの若いひとは「メール」なんて(言葉&機能)使わないのではないか、というところです…。

チューリングテストには、後ですこし戻ってくるつもりです。

次回からは「ゲーデルの不完全性定理」の予定。
何回か続けます。

参考文献:

『マインズ・アイ[上]』TBS ブリタニカ
マインズは、MIND’S なのでタイトルは「心の目(心眼?)」ですね。地雷のことではありません。

この本はいろんな文章を集めたもので、その中の一つとしてチューリングによる、チューリングリストのについての文章が乗っています。批判とそれに対する反論もしていて、今後はそれらの一部にも触れてゆきたいです。

Labyrinth.0 「黎明」

ひとまず、第0回

というわけで、マンガでまとめてゆきます…。
(一度漫画を描いてみたかったのもあって…)
絵を書くことや、せりふ回し、こまわりなどがよくわからなくてなかなか辛いですが、今後は対象の面白さを読みとっていただきたい…。

今回はイントロのみで内容がありませんが、マンガのほうが読み返しやすいので、文字でまとめるのよりも、”書いている本人が”よく理解できる気がしています。

ただ、理解不足・間違いはあることと思います。
そこで、今後も「参考にした本」を挙げてゆきます。もっと知りたい、よくわからない、変だ、と思ったらそちらにあたってみてください。

次回は「チューリングテスト」の予定。

参考文献:
「2001年宇宙の旅」
SF映画です。地球外の何者かが人に知能を与えます。昔見たときは退屈な映画だと思ったものですが、いろいろな映画を見てから見たら、その映像の隙のなさにビビリました。

(参考文献というよりは、パロディイもとですが… )