中国語の部屋は、サールという哲学者が持ち出した議論です。
この話はよく見るのですが、正直なんだかよくわからなくなる話です。本編にも書いたとおり、一見関係がありそうだが、論理的には関係のないことの様な気がしています。中の人が理解してないのがいけないのなら、理解できるようにすればいいですが、それに意味があるとも思えません。
コンピュータ科学者のホフスタッターなどは、「人工知能に対する宗教的酷評は、今まで読んだ論文の中で最悪で…『認知革命』」とすら言っているようですが。
では、なんでこんな話が出てくるのか…。次回に続きます。
参考文献
『「意識」を語る』スーザンブラックモア
心理学者のスーザンブラックモアという人が、心の科学・哲学の分野の著名な研究者にインタビューをしたものをまとめたもの。科学者にも哲学者にも同じ質問をするのですが、その答えが結構バラバラで大変面白く、何かがわかっているわけではなさそうだ、ということがよくわかります。
大変面白いのですが、日本語翻訳版の編集方針には疑問が。(主観ですが)いまいちな装丁と変なページのデザイン、強い訳文のキャラクター付け、揚句には一部のインタビューを割愛したわりには長い訳者解説…。
とはいえ、内容は良いです。なんだかわからなくなった時にはこの本を頼りに。
『図説・現代哲学で考える<心・コンピュータ・脳>』宮原勇
心の哲学の入門書。いろんな話について考えてみよう、的なスタンスで書かれたもので、読みやすい本です。
『心の哲学入門』金杉武司
いろいろな主張の関係がよく整理されていて、読みやすい本でした。
ただ、ニューラルネットワーク周りの議論は少し変な気がします。(ニューラルネットワークに構文が見て取れないから云々…という議論とか。)
全部書いた後でざっと読んだので、今回の内容には盛り込めていません。
『MIND心の哲学』ジョン・R・サール
サールの書いた、心の哲学の入門書。
サール自身の意見に沿ってはいますが、教科書的に整理して書かれています。本来的志向性と、継承された(他人から与えられた)志向性についての考え方も書いてあります。
『思考の技法 直感ポンプと77の思考術』ダニエル・C・デネット
こういう、思考実験みたいなのが集まっている本はがほしいな…と思ってマンガを書いたのですが、書き終わった後にこの本を見つけました…。私はまだほとんど読めていません。