「まんが/ラビリンス」カテゴリーアーカイブ

マンガ-3.b 「チューリングマシン② 万能チューリングマシン

チューリングマシンは、決められたルールに沿ってカード(記号)を書き換える操作であればどんなものでも、レールのつなぎ方(状態遷移)を変えれば実現できる機械でした。たとえば論理の推論や、数学の計算のルールなども、カードと線路の組み合わせで実現ができます。

ですが、ルールを変えるたびに、線路を実際につなぎかえていたのでは大変です。

そこで、その線路のつなぎ方をカードで 表して、それに従って動く機械をつくれば、カードの並び方を変えるだけで、どんなルールでも実行できるようになります。これが万能 チューリングマシンです。

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マンガ-3.a 「チューリングマシン① チューリングマシン」

数学とはなにか、という議論をする中で、「形式化」というアイデアが出てきました。形式化によって数学の完全性や無矛盾性を証明することはできませんでしたが、数学をきっちりと定義したり、機械で実行するのにはとても有用な方法で、このアイデアを応用してコンピュータが作られました。

 

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Labyrinth-2.c「不完全性定理③-論理主義・直観主義」

「数学とは何か、でもめています」

「無限の技を使うのは、数学として許されるのか」の議論に決着をつけるために「数学とは何か」という問題を見てみます。

おおざっぱには、「論理主義」は数学は論理だという主張、「直観主義」は数学は人間のすることだという主張です。論理主義がうまくいけば無限の技を使えたのですが、論理で作った数学もパラドクスと無縁では無いようです。

そこで、人間の能力を超えた無限の技の封印を主張する、直観主義者との対決となるわけですが、この戦いに勝つための作戦が「ヒルベルトプログラム」、ということになります。

参考文献
『論理の哲学』 飯田隆 編 講談社選書メチエ

論理主義や直観主義がどういう主張なのかを知りたいときにはこの本がわかりやすかったです。不完全性定理についても扱っています。

Labyrinth-2.b「不完全性定理②-無限の技・集合」

「ゲーデルの不完全性定理により、人工知能ができないことは証明されているのか?」という問題を考えるために、ヒルベルト計画を追いかけます。今回は、集合とパラドックスを見てみました。

「数学とは一体何か?」という大きな問で終わっていますが、これは数学の哲学の領域のようですね。

Pixivに再アップしました。

 

前回挙げた参考文献、『ゲーデル 不完全性定理』を、主に参考にしています。

強力な秘奥義をマスターしたヒルベルト、この技をパラドックスの呪いから救い出すことはできるのか!?そして数学とは一体何なのか。次回「論理主義・直感主義」!
の予定。

集合をあみだしたカントール自身はパラドックスについてはあまり気にしていなかったそうです。

Labyrinth-2-a「不完全性定理①」

置き場所をpixiv に変更して再投稿しています。

「ゲーデルの不完全性定理」です。
今回は言葉しか出てませんが…。
これは「人工知能をコンピュータで作りたい…けど、コンピュータって何だっけ?」につながる話です。

また、ゲーデルの定理があっても、人工知能は出来るのだろうか?という問いも考えたいと思います。

参考文献:
『ゲーデルの謎を解く』 林晋 岩波科学ライブラリー

ほぼ書いたあとで見ました。この本、わかりやすいですね。最初の一冊はこれが良かったのかも…。

『ゲーデルの定理 利用と誤用の不完全ガイド』トルケル・フランセーン 田中一之訳 みすず書房

ゲーデルの不完全生理とはなにかという話とともに、巷にあふれる不完全性定理の誤用を正してゆく本です。お勧めです。

『ゲーデル 不完全性定理』 林晋/八杉満利子 岩波文庫

不完全性定理の翻訳と、ヒルベルトプログラムの中での不完全性定理の位置づけや証明の構造などの解説からなっています。ヒルベルトプログラムについてよくわかりますが、不完全性定理の解説は難し目。

『無限論の教室』野矢茂樹 講談社現代新書

無限の技とその問題点、ゲーデルの定理までをコントの様な講義に沿って軽快に解説。対角線論法や、無限の濃度など、無限の技から不完全性定理を知ることができます。
他の本が難しいと思ったら、この本から始めるのが良いと思います。

『ゲーデルの哲学』 講談社現代新書

ゲーデルその人の人生や考えについて概要を知りたい場合にはこの本で。

Labyrinth-1 「チューリングテスト」

漫画へのリンク:

第1回、「チューリングテスト」です。

「会話ができるのであれば、それには知能があると言ってもいいのではないか?」ということから、「電子メールやチャットで話した時に、相手が人間なのかコンピュータなのかがばれなければ、知能がある」とする、コンピュータに知能があるかないかを判断するテストです。

もとは、メールではなく「テレタイプライタ」というものでやり取りするのですが、今ならメールやチャットでしょうか。

しかし、一番気になっているのは、今どきの若いひとは「メール」なんて(言葉&機能)使わないのではないか、というところです…。

チューリングテストには、後ですこし戻ってくるつもりです。

次回からは「ゲーデルの不完全性定理」の予定。
何回か続けます。

参考文献:

『マインズ・アイ[上]』TBS ブリタニカ
マインズは、MIND’S なのでタイトルは「心の目(心眼?)」ですね。地雷のことではありません。

この本はいろんな文章を集めたもので、その中の一つとしてチューリングによる、チューリングリストのについての文章が乗っています。批判とそれに対する反論もしていて、今後はそれらの一部にも触れてゆきたいです。