「古代ギリシア」タグアーカイブ

本:『物の本質について』ルクレティウス・樋口勝彦訳 岩波文庫

古代ギリシアの原子論は、デモクリトス、エピクロス、ルクレティウス、と引き継がれましたが、実際に残っているものの殆どはこの本の著者ルクレティウスのこの本によるもののようです。

元はエピクロスの考えを詩にしたものだったそうですが、この本では普通の文章として訳されています。

 

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本:『ソフィスト』田中美知太郎 講談社学術文庫

「ソフィスト」というと、偽の知識で人を欺く人、というような意味になってしまっていますが、古代ギリシアのソフィストは、お金をもらって道徳を教えることを職業としている人たちだと考えられ、そういう人たちを必要とする理由があったようです。

 

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本:『ソクラテス以前以後』F.M.コーンフォード 山田道夫訳 岩波文庫

イギリスの古典学者マクドナルド・コーンフォードによる少し古い本で、1932年のものです。

ヨーロッパ中心のギリシア持ち上げを感じないでもないですが、古代ギリシアの考え方の流れが短くまとまっていて、扱いやすいでした。

この本では、古代ギリシアの思想をソクラテスを中心に、「イオニア」「ソクラテス」「プラトン・アリストテレス」に分けています。

そして、それまでのギリシアの思想の伝統から方向性を大きく変えたところに、ソクラテスの重要さがある、ということのようです。その方向性とは、自然の研究から、人間及び社会の研究へと哲学を展開させた、ということです。

 

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本『ソークラテースの思い出』クセノフォン 佐々木理訳 岩波文庫

ソクラテスの弟子だったクセノフォンが書いた、プラトンについての文章です。

ざっと読んだ感想としては、やたらと理屈っぽい論語、という感じですが、プラトンの『プロタゴラス』よりは、ソクラテスが現実の人間っぽく感じられました。

4巻構成で、1巻がソクラテスの有罪判決に対する反論。2,3巻は弟子などとソクラテスとの議論で、道徳的な指導を理屈っぽくしています。4巻で若干哲学的な議論がされています。

 

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本:『プロタゴラス』プラトン・中澤務訳 光文社文庫

古代ギリシアの哲学者プラトンが書いた本で、ソクラテスを主人公に、ソフィストであるプロタゴラスとの議論を書いた本です。

この話の時代設定はプラトンが生まれる15年前で、実際の話というよりはプラトンによるフィクションだと思ったほうが良いようです。

 

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本:アリストテレス『心とは何か』桑子敏雄訳 講談社学術文庫

古代ギリシアの哲学者、アリストテレスの書いたものの翻訳です。

この本で「心」と訳されているのは、「プシューケー(息)」という古代ギリシア語で、「霊魂」などとも訳されている言葉。訳者は、その使われ方が、日本語の「こころ」という言葉の使われ方が似ていることより、そう訳すのがよいと考えたそうで、それは結構あっているように思う。

 

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本『自然とギリシア人・科学と人間性』エルヴィン・シュレーディンガー(水谷淳訳) ちくま学芸文庫

不完全性定理やコンピュータの基礎につながる、カントールの集合論は、無限には、1,2,3 …と続く整数と同じくらいたくさんある「加算集合」と、実数の様にさらにそれよりもずっとたくさんある「非加算集合」があるということを示したそうです。無限にも、「たくさんさ」の間には違いがあるというのです…。

そして、コンピュータの基礎モデルであるチューリングマシンでは、せいぜい加算無限までしか扱えません。つまりすべての実数を扱うことはできないということです。

もしこの世界が実数でできているとすると、人間の知能もコンピュータに扱いきれない性質を使っている可能性があるのではないのか…という疑問が湧いてきます。

また、物理学の理論である量子力学は、物の今の状態や未来をきっちりと一つに決められない、ということを明らかにしました。

だとすると、もし人間の知能がこの性質を使っていたら、決められたことしかできないコンピュータには、できないことがあるのではないか、たとえば人間のような自由な意思を持つことはできないのではないか、という疑問も出てきます。

この本『自然とギリシア人、科学と人間性』は、科学と古代ギリシアの思想、連続性(実数)と原子論、量子論、自由意思、二元論などの間の関係などについて、量子力学の祖の一人シュレディンガーが語ったもので、上記のような疑問への入り口にもなる本だと思いますので、少し内容にふれてみたいと思います。

この本によると、科学は古代ギリシアの時代の考え方を引き継いでいて、世界は実数なのか、自由意思はどうなるか、という問題も、そこから引き継いだ考え方に原因や関係があると言えるようです。

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