解析学の方法を使って、速度と時間から走った距離を出す計算や、その逆の計算を「微分・積分」と言いますが、この微分・積分を考え出したのが、ニュートン(イギリス)やライプニッツ(ドイツ)でした。
その後、イギリスではニュートンの偉業を墨守してあまり発展しなかったのに対して、ヨーロッパの大陸側では、記号を使った解析学が発展してゆきます。こうして発展した成果をイギリスに紹介したのが、先程の解析機関にチャレンジしたバベジでした。
彼の計算機が「解析機関」なのは、この計算機が解析のための機械であることを示しているのでしょう。デジタルの機械式計算機は、複雑過ぎて完成しませんでしたが、科学のための計算を機械で自動的にやらせたいという願望はありました。
そこで、速度と時間から走った距離を出すことが「積分」なのだったら、実際に車輪を走らせてやればいい、という発想で作られたアナログコンピュータが「微分解析機」だったようです。